別々に暮らし始め、離婚の話し合いも進んでいる。新しい出会いを考えたいけれど、今の状態でアプリに登録したり、知人から紹介を受けたりしてよいのか。離婚の手続きを進める50代の方へ、まず確認したいことを整理します。
確認するのは、離婚が成立しているか、利用したいサービスの条件に合うか、考えている交際にどんな法的な問題があるかです。婚姻状況や利用資格が分からないまま、独身を前提に登録を進めることは勧めません。
ここでは日本の手続きと公式規約を確認し、個別の法的判断が必要なところは相談事項として残します。法令・規約などの確認日は2026年10月4日です。
離婚は成立している? 手続きの種類と日付を見る
「別居中」「手続き中」という言葉だけでは、離婚が成立したかは分かりません。まず、自分が進めている手続きと、その段階を確かめます。
夫婦の話し合いによる協議離婚は、合意しただけでは成立せず、市区町村への離婚の届出が必要です。新宿区の案内では、届け出た日が法律上の離婚日とされています。離婚届に署名した日や、別居を始めた日を、成立日として扱わないでください。[出典:新宿区「離婚届」]
一方、調停離婚は、家庭裁判所の調停で離婚の合意が成立した時に成立します。「調停を申し立てた」「調停に出席した」という段階とは違います。[出典:法テラス「調停離婚とは何ですか。」]
裁判での和解による離婚は和解成立の日、判決による離婚は判決が確定した日が離婚日です。判決が出たことと、その判決が確定したことは区別して確認します。 裁判所の案内は、和解・判決によって離婚した場合も、その後に市区町村へ離婚届を出す必要があると説明しています。[出典:裁判所「和解離婚後・判決離婚後の手続」1]

手元の書類を開き、手続きの名称と日付を見てみてください。成立や確定の状況を読み取れなければ、依頼中の弁護士や担当の裁判所へ確認します。役所への届出や戸籍の記載については、市区町村の戸籍担当窓口へ尋ねます。
調停離婚についても、成立後の届出は別に必要です。ほかに審判などの手続きもあるため、この記事の説明に自分の手続きが当てはまらない場合は、名称を確かめてから窓口に質問してください。[出典:新宿区「離婚届」の届出期間・届出人]
別居中は「独身」に入る? withの規約で確かめる
サービスの利用資格は、そのサービスの規約で確認します。「自分では結婚生活を終えたつもりだ」という考えを、そのまま登録上の「独身」に置き換えることはできません。
規約の具体例として、withを見てみます。利用規約第3条1項に照らすと、withの通常の出会い探しでは、別居中・離婚協議中の人は利用対象に含まれません。 第3条7項には、資格を満たさないことが登録後に判明した場合の利用制限・利用停止・強制退会も定められています。登録画面を進められたことだけでは、資格を満たした確認になりません。[出典:with利用規約・第3条]
同じ条文には「カップルモード」の例外があります。ただし、公式ヘルプによると、これはwithで交際した相手との思い出を保存する機能で、利用中は通常のマッチング機能を使えません。別居中に新しい相手を探すための例外ではありません。[出典:with「カップルモードについて教えて」]

また、withの第6条は、事実に合わない情報の提供や、本来の利用目的と異なる使い方を禁止しています。「友人を探すだけ」と名目を変えることも、会員資格の代わりにはなりません。[出典:with利用規約・第6条]
ここで確かめたのはwithの規定であり、全サービスに共通する条件ではありません。別のアプリやイベントを検討しているなら、その運営元の公式規約・参加条件で、会員資格、利用目的、禁止事項を確認してください。意味が分からない項目は、都合よく解釈せず、登録や申込みの前に運営元へ質問します。
別居していれば、交際の法的リスクはなくなる?
交際についての責任は、別居の有無だけで決められるものではありません。ここはサービスの会員資格とは別に、個別の事情を弁護士に相談するところです。
2026年6月5日の最高裁判決は、元夫が、元妻と関係を持ったとされる第三者に損害賠償を求めた事例です。最高裁は、その第三者が「離婚した」と信じた理由だけでなく、「婚姻関係が既に破綻している」と信じ、その認識を支える相当の理由があったかも検討する必要があるとしました。原判決の一部を破棄し、さらに審理するために差し戻しています。[出典:最高裁第二小法廷・2026年6月5日判決(令和7年〈受〉933号)、本文3〜4頁]
この事例で検討されたのは第三者側の責任であり、賠償責任がないと最終的に決めた判決ではありません。また、婚姻関係が破綻していたかという問題と、法律上の離婚が成立したかは別です。「別居していれば問題ない」「離婚前なら必ず責任がある」という、どちらの一律判定にも使えません。
相談するときは、「出会い探し」という言葉を少し具体的にします。これから登録を考えているのか、すでに連絡を取り合っている人がいるのか、会っているのか、性的な関係があるのか。まだ考えていることと、実際にしたことを分けて伝えてください。この判決だけで、アプリへの登録や個々の交際の可否まで判断することはできません。

別居を始めた時期や理由、夫婦間でどんな話し合いをしてきたか、新しい相手と知り合った時期を、手元の書類や連絡と照らしてメモしておく方法があります。「夫婦関係は終わっています」という自分の評価だけでなく、何があったかを説明するための準備です。都合のよい部分だけにまとめず、分からない日付や、相手と認識が違うことも残します。
確認できたことと、まだ分からないことを一枚にする
公式ページを読んで分かったことと、自分の事情について未確認のことを、同じ欄に書かないようにします。次の表は確認メモの作り方の例です。左欄は上で確認した資料の要点で、あなた自身の状況を確認済みにするものではありません。
| 公式資料で確認できたこと | 自分について、まだ確かめること | 次の確認先 |
|---|---|---|
| 離婚の成立時点は、協議・調停・和解・判決で異なる | 自分の手続きの種類と、成立・確定の状況。届出や戸籍の記載 | 手元の書類、依頼中の弁護士、担当裁判所、戸籍担当窓口 |
| withの通常会員資格では、別居中・離婚協議中を独身に含めない | 利用したいサービスの現在の規約で、自分が資格を満たすか | その運営元の公式規約・参加条件・問い合わせ窓口 |
| 上記の最高裁判決は、認識とそれを支える事情の検討を求めた | 自分と新しい相手の行動について、どんな法的リスクがあるか | 個別の事情を伝えたうえでの弁護士への法律相談 |
表の事実欄の根拠:新宿区、法テラス・調停離婚、裁判所・和解/判決離婚、with利用規約、最高裁判決。
確認したページのURLや、見た日もメモに残しておくと、あとから同じ条件を読み返せます。回答がまだない欄は「問い合わせ中」のままにし、許可が出たことにはしません。
運営元には、会員資格について聞く
次は、検討先の規約を読んでも自分の扱いが分からない場合の、問い合わせ用に作成した文例です。実際の問い合わせや回答ではありません。別居中で離婚が未成立の場合を想定しています。
現在、配偶者と別居し、離婚の話し合いをしています。離婚はまだ成立していません。この状態で会員登録できますか。該当する利用規約の項目を教えてください。
イベントなら「会員登録」を「このイベントへの参加」に直し、開催名を添えます。規約に対象外と明記されている場合に、特別扱いを求めるための文例ではありません。

弁護士には、行動と心配していることを伝える
こちらは、別居中に新しい出会いを考え始めた人が、法律相談で最初に伝えるための文例です。状況の確認を依頼する言い方であり、法的な結論を含みません。
離婚の話し合い中で、新しい出会いを考えています。今の段階で交際を進めた場合の法的リスクを相談したいです。
続けて、別居や話し合いの経緯、すでに相手がいるか、実際にしたことと今後考えていることを伝えます。相談に持参する資料は、予約時に確認してください。運営元への問い合わせでは利用条件を、法律相談では個別の責任を尋ねるため、片方の返答で両方が解決したとは扱いません。
相談先が分からないときは、法テラス・サポートダイヤルで法制度や相談機関の案内を受けられます。ただし、オペレーターが個別の法律相談や法的判断を行う窓口ではありません。受付時間や利用方法は、公式案内を確認してください。
紹介者への返事も、今の婚姻状況に合わせる
知人から紹介を提案されていても、確認が済むまで話を進めないと伝える方法があります。次は、離婚がまだ成立していない人が、紹介者に送るために作成した文例です。
紹介を考えてくれてありがとう。まだ離婚が成立していないので、今は話を進めずに待ってもらえるかな。
成立する時期が分からないなら、「来月には大丈夫」と予定を約束に変えず、現在分かっていることを伝えます。相手に事情を説明したことを、サービスの利用資格や法的な問題の確認の代わりにはしません。
離婚の成立を確認したあと、気持ちや生活の面で新しい出会いを考える時期に迷う場合は、離婚後の恋愛はいつから?50代の感情・生活・手続きを分けて考えるで、別の問いとして整理できます。