仕事以外に話題がないときの自己紹介|60代の文例と書き方

仕事の話ならいくつも浮かぶのに、自己紹介で「それ以外」を書こうとすると手が止まる。会社名や役職を外したら、何が残るのだろうと思うかもしれません。

仕事中心で暮らしてきた60代の男性に向け、出会いのプロフィールや、知人に紹介された場で使う自己紹介を考えます。新しい趣味を用意するより、ふだん何をして、どんな時間を少し楽しみにしているかから、一文を作ってみましょう。

仕事の紹介に、ふだんの楽しみを一つ添える

ここでは、物流の仕事を続けている63歳の健一さんを例にします。人物や以下の文例・記入例は、書き方を説明するために作ったものです。

プロフィールに書く文例

健一です。物流の仕事をしています。休みの朝に卵焼きを作って、ゆっくり朝ごはんを食べるのが楽しみです。少し甘めの味つけが好きです。

普段のちょっとしたことを話せる方と知り合えたらうれしいです。よろしくお願いします。

この紹介には、役職や実績の一覧はありません。一方で、仕事をしていることは残し、そのあとに休日の過ごし方を続けています。仕事が大切な話題なら、消してしまわなくてかまいません。

卵焼き器で卵を巻く手元

「卵焼き」だけでなく、「少し甘め」と書いたのは、健一さん自身の好みだからです。凝った料理や珍しい趣味に替えず、実際に好きな味を添えています。自分の文にするときも、何をするかに加えて、好きなところを一つ思い出してみてください。

今は退職しているなら、仕事の文は過去形に直します。名前、仕事、楽しみはすべて自分の状況に替え、文例に合わせて暮らしのほうを変えないようにします。

「趣味は何か」より、最近したことを思い出す

趣味の名前から探すと何も浮かばないときは、仕事の前後や休日をたどってみます。夕食のあとに見たもの、帰り道に聴いた曲、買い物でいつも選ぶもの。その中から、自己紹介で少し話してもよいと思うことを選びます。

たとえば、旅番組を見る時間を材料にするなら、次のようにメモできます。これは自己紹介の完成文ではなく、材料を探すための記入例です。

  1. 最近したことを思い出す:夕食のあと、旅番組を見た。
  2. 好きなところを一つ選ぶ:市場で食べ物を見て回る場面が好きだった。
  3. 一文にする:この前、旅番組で見た市場がおもしろくて、何を売っているのかつい見入ってしまいました。
テレビで見た市場を思い出す、好きだったところを一つ選ぶ、自分の言葉で一文を書く三つの場面。楽しみが浮かばない日は過ごし方だけでも書けます。
実際にしたことから一つ選び、自分の言葉にします。楽しみが浮かばない日は、今の過ごし方だけでも構いません。

一度見ただけでも、そのときの話として書けます。いつも見ているわけではないのに「旅番組を毎日見ています」と広げる必要はありません。

音楽なら、曲の知識ではなく「帰り道に昔好きだった曲を聴くことがあります」という書き方もあります。買い物なら、「季節の果物が並ぶと、何を買おうか見るのが楽しみです」といった一文です。どちらも、自分が実際にしている場合に使います。

趣味と呼べるほど詳しいかではなく、自分がしていることかを確かめます。 書くために習い事を始めたり、好きでもないことを相手に合わせて趣味だと書いたりする作業ではありません。思い出したこと全部を載せず、今の自分から話したいものを一つ選びます。

肩書きの羅列と、大きく書きすぎた趣味を直す

材料が見つかったら、もとの下書きと並べてみます。削るのは仕事そのものなのか、それとも似た役職が続く部分なのかを見直します。

役職の一覧を、今している仕事と休日の話へ

健一さんが、以前の役職から自己紹介を書いたとします。

書き直す前

物流会社で倉庫長、営業所長を務めてきました。今は若い社員の指導係を担当しています。

仕事以外のことも伝える書き直し例

物流の仕事をしていて、今は若い社員に仕事を教えています。休みの朝は、卵焼きを作ってゆっくり朝ごはんを食べています。

自己紹介の下書きをノートで見直す場合を描いた手元

役職名を続ける代わりに、今している仕事を説明し、休日の一場面を加えました。「仕事しかしてこなくて、つまらない人間ですが」と自分を下げる前置きは足していません。仕事を小さく見せるための書き直しではありません。

見るのが好きなことを、経験したことに変えない

旅番組を見た話を、「旅行が趣味で、各地を巡っています」に替えると、実際に出かけているという別の話になります。番組で見た市場に興味を持ったなら、見たことと行ってみたい気持ちをそのまま書けます。

リビングで、テレビに映る市場の様子を見る男性の後ろ姿

この前、旅番組で見た市場がおもしろそうでした。いつか、ああいう場所で食べ歩きをしてみたいです。

「詳しくないと話題にしてはいけない」と考える必要はありません。ただ、まだしていないことは「してみたい」と書きます。始めたばかりのことも、「最近始めました」と伝えれば、長く続けている趣味に見せずに紹介できます。

楽しみが浮かばない日は、今の過ごし方を書く

メモを見返しても、楽しみとして紹介したいことが見つからない日もあるでしょう。その場合は、無理に「好きです」で終える文章を作らず、今どう過ごしているかを書いておけます。

自宅でゆっくり過ごす場合を描いた男性の写真風画像

楽しみを書き足さない自己紹介の文例

はじめまして。平日は仕事をしていて、休日は家でゆっくり過ごすことが多いです。まずは普段のことからお話しできたらうれしいです。よろしくお願いします。

「家でゆっくり」は、そのとおりに過ごしている場合の言葉です。休日も用事が多いなら、「仕事がない日は、家の用事を済ませて過ごすことが多いです」と替えられます。文章を整えるために、実際にはないのんびりした休日を作らないようにします。

「趣味がなくてすみません」と謝る文を加えるより、いま書ける範囲で自己紹介を終えてみます。あとから話したいことが見つかれば、その一文を足す方法もあります。

会って話すときは、最初の一言を短くする

プロフィールに書いた文を、対面で全部読み上げる必要はありません。仕事を紹介者がすでに伝えてくれている場なら、自分からは名前と休日の話をする始め方もあります。

健一さんが対面で話す文例

健一です。休みの日は、朝ごはんをゆっくり作るのが楽しみです。よろしくお願いします。

ここでいったん話を終え、相手の自己紹介や言葉を待ちます。たとえば「何を作るんですか」と尋ねられたときには、次のように続けられます。

尋ねられた場合の補足

卵焼きです。少し甘いのが好きなんです。

テーブルで向かいの相手の話を聞く男性

詳しい作り方まで最初から用意しなくても、この補足で好みを伝えられます。相手が別の話題を出したら、その話を聞くこともできます。用意した話を全部言い切ることや、必ず質問を返してもらうことを目標にはしません。

下書きができたら、一度声に出してみてください。口にすると硬い言い回しは、ふだん使う言葉に直します。「趣味は料理です」より「休みの朝に卵焼きを作ります」のほうが自分の言葉なら、そちらを残します。

まず直すのは、仕事の説明のあとに続く一文です。昨日や休日にしていたことから、自分がそのまま話せるものを選んでみましょう。