恋愛経験が少ないことを、知り合ったばかりの相手に伝えるか。50代前半で未婚のまま過ごしてきて、「この年なら、先に話したほうが誠実なのでは」と迷うこともあるでしょう。
最初の自己紹介で、経験の少なさまで必ず伝えると決めなくてかまいません。経験について自分から話したいかと、これから会ううえで頼みたいことがあるかは、別々に考えられます。
「先に言わないと不誠実?」と迷うとき
ここからの相談・文例は、52歳で未婚の人を想定した架空の例です。
相談者は仕事を続けながら、月に一度の読書会に参加しています。そこで顔を合わせてきた人から、休日に映画と昼食に行かないかと誘われました。話すのは楽しいけれど、二人で出かけるのは初めて。短い交際の経験はあるものの、長く誰かと付き合ったことはありません。

先に経験の少なさを話さないと、不誠実でしょうか。
相手に分かっておいてほしいのは、どんなこと?
最初から半日は緊張します。昼食だけなら行きたいです。
この相談では、「経験が少ない」という一言の先に、まず昼食だけにしたいという希望がありました。相手には、映画と食事をまとめた予定を、昼食だけに変えたいと相談できます。過去の交際歴を説明するかどうかは、それとは別に選べます。
今は詳しく話さないことと、経験があるように話を作ることは違います。相手の話に合わせて交際人数を増やしたり、行ったことのないデートを経験したように語ったりする必要はありません。
経験を話したいか、頼みたいことがあるか
迷ったときの考え方として、次の二つを分けてみます。どちらか一つを選んで終えるのではなく、両方について、今の自分に合う答えを選びます。

経験そのものを知っておいてほしい
自分から話したいなら、「お付き合いの経験は少ないです」と、伝えたい事実だけを一言にできます。どうして経験が少なかったのか、以前の相手とどこまで親しかったのかまで、続けて説明するとは決めなくてかまいません。
詳しく聞かれると断れそうにない場合は、話す前に、自分が今日は触れたくないことを確かめておきます。これは相手に渡す一覧ではなく、自分のための目安です。「今は詳しく話さない」と決めたことを、後日必ず話す約束に変えないようにします。
まだ話したくない、話すか迷っているなら、今回は経験の話を出さない選択もあります。
会い方について、頼みたいことがある
経験の話をする・しないのどちらを選んでも、会い方への希望は伝えられます。「ゆっくり進めたい」だけでは自分でも何を頼みたいのか曖昧なら、次の予定に結びつけてみます。
たとえば、「最初は昼食だけにしたい」「予定はその場で即答せず、帰ってから返事をしたい」などです。経験の説明を添える場合も、頼みたいことまで一緒に話せば、何について返事がほしいのかも伝えられます。

今は特に頼みたいことがなければ、そのまま予定の話を進めることもできます。何が不安かまだ分からないなら、誘われた予定を自分用に書き出して、気が重くなる部分を探す方法もあります。考えを整理するために、信頼する人へ話してみる選択も残ります。
ここで会うことや交際を決める必要はありません。相談してから考える、今回は会わない、というところで止められます。
紹介者と相手本人では、話す内容を変えてよい
経験のことを話すと決めても、誰にでも同じ内容を伝える必要はありません。紹介を頼む友人、これから二人で会う相手、複数の人が読む自己紹介文では、自分が知っておいてほしいことを選び直します。

友人に紹介を頼む場合は、「最初は短い時間で会いたい」という希望だけを、相手に伝えてもらう方法があります。友人には経験の少なさを相談したくても、それを紹介先にも知らせてほしいとは限りません。紹介者に相談することと、相手へ伝えてもらうことは別です。先方へ話してほしくない内容は、紹介文を送ってもらう前に伝えます。
相手本人には、予定を相談しているときに、その予定に関わる希望を話します。「三回目までに経験を告白する」と日を決めるより、映画と昼食に誘われたときなら、昼食だけにしたいことを返事に添える、と考えるほうが具体的です。
プロフィールなど、複数の人が読む自己紹介文に自分で文章を書く場合は、そこで広く伝えたいことを選びます。経験には触れず、「まずは食事をしながら、少しずつお話ししたいです」と今の希望を書く方法もあります。詳しい交際歴は、個別に話したい相手ができたときに改めて考えられます。
「気にしないよ」と言われても、予定は別に確かめる
経験が少ないことと、最初は昼食だけにしたいことを伝えたとします。相手から「経験のことは気にしないよ」と返事が来たら、その言葉を受け取りつつ、予定への返事も確かめます。

経験への返事だけでは、昼食だけにする予定まで決まったとは言えません。映画にも行くつもりなのか、今回は食事だけなのかが曖昧なら、「では、今回はお昼だけでどうでしょう」と、決めたいことを尋ねられます。
相手が映画も楽しみにしていたとしても、ただちに自分への配慮がないと決めつける必要はありません。希望が違うと分かったところから、別の機会にするか、今回は会わないかを考えます。経験が少ないからと相手の案に従うのではなく、自分は昼食だけにしたいという希望を保ったまま返事を選びます。
話したくない過去を繰り返し尋ねられたり、「慣れていないなら任せて」と断った予定を押し通されたりするなら、説明を増やすより、その話や予定を止めることを優先できます。「詳しい話は今日はしません」「その予定では会いません」と、止めたい対象を伝えます。
そこで会話を終える選択もあります。相手が納得するまで経験や未婚の理由を話すことを、帰るための条件にしなくてかまいません。
昼食に行きたいことと、交際したいかは分けて返す
最初の相談者が決められたのは、映画と昼食の両方ではなく、まず昼食に行きたいということでした。相手が恋愛として誘っているかは、まだ聞いていません。相談者自身も、交際したいかまでは決めていません。
会って話す予定を相談することと、交際の申し込みに返事をすることは別です。後で相手から交際を申し込まれたときにまだ決められなければ、「もう少しお話ししたいですが、お付き合いするかはまだ決められません」と、今の気持ちを伝える方法があります。会いたい気持ちがなければ、次に会う約束を添えずに断ってかまいません。

相談者は自宅で、誘いへの返事をスマートフォンのメモに書きました。経験については今回は触れず、昼食の希望を伝えることにしました。
「誘ってくださってありがとうございます。映画は今回は見送って、お昼だけご一緒しませんか。」
メモに保存し、スマートフォンをテーブルに置きました。